人生を前に進めるお金の使い方

お金について

もし手元に、今日中に使わないといけない1万円があったら、あなたは何に使いますか?

お金の使い方は、「浪費」、「消費」、「投資」の3つに分類できるといわれます。

それぞれの言葉をググってみると、以下のような定義が一般的みたいでした。(参照:goo辞書)

  • 浪費:金銭・物・精力などをむだに使うこと。むだづかい。
  • 消費;人が欲望を満たすために、財貨・サービスを使うこと。
  • 投資:利益を得る目的で、事業・不動産・証券などに資金を投下すること。転じて、その将来を見込んで金銭や力をつぎ込むこと。

無駄遣いが浪費、欲を満たすのが消費、将来を見込んだ行動が投資というわけですね。
いずれの言葉も、金銭取引以外にも使われそうな定義なのがおもしろい。

少し前に、お金系の本を何冊か読み、お金について考えを巡らす時間が増えました。
お金系の本を読んでいると、「浪費や消費を減らし、投資の比率を上げよう!」という話をよく見かけます。

僕も、「投資の比率」をあげるのには賛成です。

賛成なんですけど、日々の支払いのどれが浪費で、どれが消費で、どれが投資って分類するの難しくないですか?

僕は、むずかしいな、と思います。
なので、もっとわかりやすくしたいと思いました。

今回は、「浪費」「消費」「投資」の3つの言葉を、自分なりに再定義していみたいと思っています。

よかったら、ぜひ一緒に考えてみてください。

浪費と消費の境目:「その支払いに、神経は通っていますか?」

私的な定義1
浪費=目的意識のない出費

お金を使うときに、「目的を持って使っているかどうか?」が、浪費と消費の境目だと思います。

たとえば、お弁当を買うとき、人は「空腹を満たすこと」や「栄養を摂取すること」、「美味しい味を味わうこと」などを期待してお金を払います。
なので、「お昼ご飯に、お弁当を買った」は消費といえるでしょう。

一方、仕事終わりに立ち寄ったコンビニで、夕飯の弁当と一緒に、なんとなーく缶ビールとポテチを手に取ったとします。
元々の目的は、「夕飯を手に入れ、空腹を満たす」だったのに、予定外の缶ビールとポテチまで買ってしまった。
この缶ビールとポテチに支払ったお金は、浪費だと思います。

このように、目的を意識した出費は消費となりますが、なんとなーく使ったお金は浪費です。
仮にパチンコで1万円擦ったとしても、「今日は、1万円までパチンコして楽しむぞ!」と目的意識があるのであれば、それは「1万円で娯楽を買った」という消費ってわけですね。

水を飲むためにコップに手を伸ばすように、目的を達成するために使われたお金が消費です。

神経の通ったお金の使い方していきたいですね。

消費と投資の境目:「その支払いで、あなたは何か変わりましたか?」

私的な定義2
消費=明日からの生活を変えない出費

浪費と、消費についてみてきたので、次は投資です。
お金を使ったことで、あなたの行動が変わったのなら、それは投資だと思います。
行動が変わることで、未来の結果も変わってきます。

たとえば、安売りの下着を買ったとして、清潔な下着を手に入れるという目的は達成されるかもしれませんが、明日からのあなたの日々は何も変わらないでしょう。

一方で、ちょっと奮発して高いコートを買ったらどうでしょうか。
いつも使っているコートの3倍くらいの値段だけど、すごく可愛くてテンションが上がるコート。
それを買って身につけたら、きっとあなたは、お出かけしたくてたまらなくなると思います。

僕の場合ですが、ロボット掃除機を買ったのは良い投資でした。

ロボット掃除機を買ったことで、苦手としていた「掃除機をかける」というタスクから永久に解き放たれ、綺麗な部屋という効用を得ることができました。

変化を引き起こさないお金の使い方はただの消費ですが、「もしかしたら、何かが変わるかもしれない」と期待して支払ったお金は、投資になります。

より良い投資:「その支払いで、世界は変わりましたか?」

私的な定義3
投資=(あなたも含めた)誰かの未来を変える出費

ここまでの持論では、自分にフォーカスを当てた話でした。
ですが、お金にはもっと広い範囲を変える力があると思います。
投資は、あなただけでなく、他の誰かの未来も変えてしまえるかもしれません。

くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」という本では、お金の持つ「投票権」としての役割について書いてありました。

たとえば、お昼ご飯をコンビニ弁当で済ませたとき、「お腹を満たす」という目的は達成されるでしょう。もちろん、それでも良いです。

一方で、あなたにとってお気に入りの、居心地が良い定食屋さんで食べたときのことを考えてみてください。

このとき、あなたの支払ったお金はあなた自身の「お腹を満たす」という目的以外に、「お気に入りの定食屋さんを応援する」という役割も果たしてくれます。

あなたがお気に入りの定食屋さんでお金を落としたことで、定食屋さんの売上が上がり、店が長く存続するかもしれません。
経営に余裕ができて、新商品の開発をしてくれるかもしれませんし、ランクの高いコーヒーを入荷してくれるかもしれませんね。

お金は、資本主義社会における投票権です。

あらゆる企業は利益のために、売れる商品を作り、売れない商品は打ち切っていきます。
もしあなたが、自分の目的を効率よく達成することだけにフォーカスしてお金を使っていたら、あなたの応援したい商品やお店が淘汰されてしまうかもしれません。

このように、僕たちの支払ったお金は、世界を少しだけ変えています。

お気に入りのものに囲まれた未来か、量産型のものに囲まれた未来か、僕たちの日々の投票行動(支払い)によって決まっていくわけですね。

まだ完全にはできていない部分ですが、僕自身も「応援したいものにお金を使う」を少し意識してみてるところです。

どこまで神経を伸ばせるか?

まとめます。

  • 浪費=目的意識のない出費
  • 消費=現状維持の出費
  • 投資=誰かの未来を変える出費

一つ一つの支払いに神経を通し、お金を手足のように自在に扱えるようになれば、少ないお金でたくさんのことを変えることができるようになるのでしょう。

そのためには、「どこまで神経を伸ばせるのか?」=「どこまで意識できるのか?」という、個々人の器量が問われてくると思います。

先述した「くそつまらない未来を変えられるかもしれない投資の話」という本では、銀行預金についての言及がありました。

僕たちが銀行に預けたお金は、銀行が企業に出資するときの資金に回っていますが、
日本の一部の銀行では、クラスター爆弾(周囲に小さな爆弾を撒き散らし、無差別に被害を出す爆弾)を製造している企業に出資していたといいます。

また、ゆうちょ銀行に預けたお金の約8割は日本国債の購入に当てられるそうです。
日本の国債の約10%は、米国債の購入に当てられます。
アメリカの国家予算の20%くらいが軍事予算だとすると、ゆうちょに預けたお金の1.5%は、アメリカの軍事費になっているかもしれません。

何の気なしに使っている仕組みの中に、「戦争が増える未来」を助長する罠が隠されている、というのはかなり衝撃的でした。

たぶん銀行以外のところでも、僕たちの気づかないところで、僕たちの使ったお金が「僕たちが望まない未来」を助長することに繋がっているのだと思います。

人間の認知能力には限界があるので、全てのお金に神経を巡らせるのは難しいかもしれません。

ですが、できる限り神経を伸ばして生きていきたい。

今回書きたいのはこのくらいです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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